みなさまこんにちは。
私は岡山県の総合周産期母子医療センターで新生児科医をしつつ外来では小児神経科医として診療をしており、新生児専門医・小児神経専門医として2つの領域をつなぐような立場で仕事をさせていただいています。元々、学生の頃は児童精神科医になりたいと思っていましたが、まずは小児科研修を受けようと思いやってきた岡山で新生児医療の魅力に引き込まれました。
もう20年以上前になりますが早産児はADHDなどのリスクが高いらしいという報告も出てきていたころで、元々持っていた興味とも重なり脳と発達の勉強をするため、しばらく新生児の研修をした後に岡山大学小児神経科の門を叩きました。その後いろいろな縁あって、早産児やsmall-for-gestational-age児(在胎期間の割に体格が小さいあかちゃん)の長期的な発達をテーマにした疫学研究に携わってきました。最近では早産児の脳画像解析にも取り組んでいます。
早産児、特に在胎期間がより短い児はADHDや自閉スペクトラム症などの合併リスクが高いことが知られていますが、それとともに診断閾値下ではあるが発達の特性があるというお子さんが多いことも報告されています。神経発達症というのは本人の特性と社会の在り方との間で困難が生じることが診断基準の重要なポイントですが、逆に考えれば社会のあり方が多様で包摂的であれば困る人が減るということでもあります。
最近、私は小児神経外来で限局性学習症の専門外来も担当していますが、教育・福祉の関係者とともにこのことに取り組んでいくことでいろいろな子どもたちが過ごしやすい地域になっていってくれたら、それがNICUを退院した早産のお子さんたちにもプラスになっていくと信じています。そんなふうに早産児の発達を通して、社会のあり方を考える学会にもなっていくと良いなと思っています。
.png)
