早産児の「より良い未来」を目指して— 早産児神経発達学会への想い(理事 小谷友美|浜松医科大学 産婦人科講座)

産婦人科医として長年、早産の予防や切迫早産の治療に取り組んできました。妊娠

期間を少しでも長く延ばし、赤ちゃんをお腹の中で育てること——それは私たちの大き

な使命です。

しかし、臨床の現場では常にある問いが頭を離れません。「感染や炎症、血流の変化

など、子宮内の環境が厳しくなっているとき、ただ妊娠を継続させることだけを考えて

いて、本当に赤ちゃんにとって十分なケアができているだろうか」という問いです。

赤ちゃんにとって、お母さんのお腹の中ほど安全な場所はありません。だからこそ、そ

の環境が厳しくなっているときには、「もう少し待つ」だけでなく、お腹の中の環境その

ものを少しでも良い状態に整えることが大切だと感じています。できる限り万全なコン

ディションで新生児科の先生方にバトンを渡し、生まれた後の治療へと円滑につなげ

ていく——それが産科医としての責任だと考えています。

近年、早産で生まれた赤ちゃんの脳を守る治療への関心が高まっています。そして、

赤ちゃんがお腹の中にいる段階からできることは、まだまだあるはずだと思っていま

す。産科医と新生児科・小児科医、理学療法士、児童精神科医、さらには神経科学研

究者など、さまざまな専門家がチームとして連携して初めて見えてくる答えがある——

そう強く感じています。

「早産児神経発達学会」は、そのように多くの専門家が視点を持ち寄り、早産で生ま

れた子どもたちの未来を守るために力を合わせる、画期的な学会です。専門の壁を

越え、子どもたちがより豊かな未来を歩めるよう、産科の立場から力を尽くしていきた

いと思っています。